『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』は、地主による漫画を原作に、2026年7月9日からTVアニメも放送中のヒューマンドラマだ。
くたびれた中年サラリーマンとスーパー店員の不思議な関係を描き、既刊は9巻・累計300万部超を記録している。
この記事では、検索でこの作品を調べに来た読者に向けて、あらすじ・作者情報・登場人物・書誌データ・アニメ情報までを一つにまとめて解説する。
『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』とは?基本データを整理
まず結論から言うと、本作は2022年3月9日に作者・地主のTwitter(現X)投稿から始まり、現在はスクウェア・エニックスの『月刊ビッグガンガン』で連載中の漫画である。
略称は「ヤニすう」。
ジャンルはヒューマンドラマ・ラブコメに分類され、単行本は既刊9巻(2026年7月24日発売の第9巻まで)、電子書籍を含む累計部数は2026年1月時点で300万部を突破している。
掲載の経緯を整理すると、以下のようになる。
Twitter連載開始:2022年3月9日〜
『月刊ビッグガンガン』連載開始:2022年Vol.09(同年8月25日発売号)〜
レーベル:ビッグガンガンコミックス
単行本刊行数:既刊9巻(2026年7月時点)
もともとは『スーパーの裏でヤニ吸う話』というタイトルで発表されており、月刊ビッグガンガンでの連載開始を機に現在のタイトルへ改題されたという経緯を持つ。
この改題の際、Twitterに掲載されていた第4話から第16話は一旦削除されたが、Twitter上での連載自体はその後も継続された。
作者・地主はどんな人物?作品を生んだ経緯
読者が気になるポイントの一つが「作者は誰なのか」という点だろう。
本作の作者は「地主」で、同じくビッグガンガン系列で連載していた別作品の担当編集から「創作の練習として短編漫画を描かないか」という提案を受けたことが、本作誕生のきっかけになったとされている。
その前作が現実離れした設定の物語だったことから、その反動として現実に近い作品を目指して描かれたのが本作である。
作者自身に接客販売の経験があったことも影響し、舞台がスーパーマーケットに設定されたという背景も明かされている。
Twitterで第1話が投稿された際には、累計28万件を超える「いいね」を集めるなど大きな反響を呼び、SNS発の作品として異例の広がりを見せたことも本作の特徴と言える。
こうした反応の大きさから書籍化・連載化が決まり、現在の月刊ビッグガンガンでの連載につながった。

あらすじ・内容:中年サラリーマンとスーパー店員の物語
「スーパーの裏でヤニ吸うふたり あらすじ」で検索して来た読者のために、本作の内容を整理する。
主人公は、社畜街道をひた走る、くたびれた中年サラリーマンの佐々木である。
佐々木のひそやかな癒しは、日ごろから吸っている煙草と、行きつけのスーパーS(諸々駅前店)で働く女性店員・山田のにこやかな接客だった。
仕事に疲れたある夜、癒しを求めてスーパーへ向かうが、目当ての山田はレジにおらず、今どき煙草を吸える場所も見当たらない。
意気消沈した佐々木に「ここなら吸える」と声をかけてきたのが、少し奇抜な服装をした女性・田山だった。
からかい上手な田山に戸惑いながらも、佐々木は喫煙所で彼女と煙草を吸うのが習慣になっていく。
物語の大きな軸となるのは、実は「田山」の正体が、佐々木が慕う「山田」その人だという設定である。
勤務中は「山田」として2番レジで爽やかに接客し、勤務時間外には「田山」としてロックなファッションで振る舞う、その二面性が本作最大の仕掛けと言える。
佐々木は当初まったくこの事実に気づかない。
物語が進むにつれて違和感を覚え始め、単行本6巻では転倒した山田を手当てした際にペディキュアの色から異変を察知する。
そして7巻の終盤、行方不明になっていた彼女を思い出の公園で発見する。
足の爪のペディキュアやピアスの跡、ほくろの位置といった数々の積み重ねから、田山の正体が山田であると確信するに至る。
ただし佐々木は、彼女が自分から打ち明けるまでは「気づかないフリ」を続けることを選んでおり、この不器用な優しさが物語の読みどころの一つになっている。
登場人物:佐々木・山田(田山)ほか7人のキャラクター紹介
内容を理解するうえで欠かせないのが、スーパーSを舞台にした登場人物たちである。
主要な7人を整理すると次の通りだ。
佐々木:会社員。元気商事という企業に勤める主任。大学時代の恋人・遠野に無理やり吸わされたのがきっかけで喫煙者になった。吸っている銘柄は「BONSTARs」。
山田/田山:スーパーSのパート従業員。「山田」としては2番レジを担当し、「田山」としては勤務外の姿でスーパー裏の喫煙所に現れる。吸っている銘柄は「Beside Me」。
後藤:スーパーSの店長。電子タバコ愛用者で、佐々木と山田(田山)の関係にいち早く気づきながらも静観している。
前澤:レジチーフで既婚者。二児の母でもある。シフト作成を担当し、店長からは「ザワ」と呼ばれている。人に仕事を教える能力が高く、後藤からは「名調教師」と評価されるほど指導力に優れている。
大野:ベテランレジ係。趣味はパチンコで、辛口だが的確な言葉で周囲を励ますことがある。
小畑:青果部門チーフ。長身で、通称「オバ」と呼ばれる。
鈴木:佐々木の同僚で大学時代の同期。20年以上の付き合いがある理解者的存在。
こうして見ると、単なる主人公二人の物語ではなく、スーパーSで働く従業員たちの人間模様も丁寧に描かれていることが分かる。
作者によれば、「山田」のキャラクター造形のベースには「仕事への真面目さ」があり、「田山」はその反動としてあえて逆の要素を強調したキャラクターだという。
この作り込みの深さが、単純なラブコメでは終わらない厚みを本作に与えている。
既刊9巻までの見どころ・最新刊はいつ?
「何巻まで発売されているか」「最新刊はいつか」を知りたい読者のために、単行本の刊行状況を整理する。
結論から言うと、2026年7月9日時点での最新刊は同月24日発売予定の第9巻で、電子書籍版も同日配信予定である。
単行本の刊行の流れは以下の通りだ。
第1巻:2022年8月25日発売(連載開始と同時に描き下ろしエピソードを加えて刊行)
第2巻:2023年1月25日発売
第3巻:2023年7月25日発売(特装版には小冊子「裏ヤニ」が付属)
第6巻:特装版に小冊子「裏ヤニ2」が付属。佐々木が山田の異変に気づき始める重要な巻でもある
第8巻:2026年1月23日発売(特装版には地主のイラスト60点以上と描き下ろし漫画を収録した小冊子「裏ヤニ3」が付属)
第9巻:2026年7月24日発売予定
このように、特装版に毎回異なる描き下ろし小冊子が付属している点も、既刊を追いかけるファンにとっての楽しみの一つになっている。
なお、次の第10巻の発売時期については、本稿執筆時点(2026年7月9日)では公式な発表がない。
続報が出た際には、あらためて最新情報を追記していきたい。
出版社・掲載誌などの書誌情報
「出版社」「会社」というキーワードで検索する読者向けに、書誌データを改めて整理する。
出版社はスクウェア・エニックスで、レーベルはビッグガンガンコミックスである。
掲載誌は月刊ビッグガンガンおよび作者本人のTwitter(現X)アカウントの二本立てとなっている。
電子書籍を含めた累計発行部数は2026年1月時点で300万部を突破しており、単行本派・Web連載派の双方に広く読まれている作品であることがうかがえる。
受賞歴・評価:業界からはどう見られているか
本作は単に人気があるだけでなく、業界内での評価も高い作品である。
主な受賞・ランクイン歴を表にまとめた。
賞・ランキング名 発表時期 結果
次にくるマンガ大賞2022 Webマンガ部門 2022年8月 1位
マンガ大賞2023 2023年 ノミネート
全国書店員が選んだおすすめコミック2023 2023年2月 第4位
出版社コミック担当が選んだおすすめコミック2023 2023年2月 第1位
第7回みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞 2023年9月 4位
このように、複数のランキングで継続的に高評価を得てきたことが分かる。
批評面でも注目されており、Wikipediaにまとめられた各媒体のコメントによれば、TSUTAYAの企画人として知られる栗俣力也氏は本作について、派手な演出がなくても数多くの魅力を備えていると評し、その理由として漫画的な表現や心地よい空気感を挙げたとされる。
Wikipedia
Real Sourceの寄稿者ふじもと氏は脇役の魅力に触れ、喫煙所でのやり取りこそが作品のコアだと指摘したうえで、きっかけにかかわらず人と人が想い合う姿の美しさを評価しているという。
海外メディアAnime News Networkのケヴィン・コーマック氏は、現代における喫煙者の肩身の狭さに触れつつ、本作を優しい物語だと評してA評価をつけたとされている。
こうした評は、いずれも作品の「派手さのない魅力」という共通点を指摘しており、静かな空気感が本作の核であることを裏付けていると言えるだろう。

テレビアニメ化について:放送日・キャスト・制作会社
2025年7月19日にアニメ化の第一報が発表され、2026年7月9日からTBS系28局にて毎週木曜23時56分から放送がスタートした(AT-Xでは同月12日より毎週日曜21時から放送)。
放送に先駆けて、ABEMAでは2026年6月3日から本編を再構成した先行配信版が公開されており、ABEMA・Netflixでの正式配信は7月10日からとなっている。
アニメーション制作を担当するのは旭プロダクションで、監督は鈴木理人・森あおいの両氏、シリーズ構成は井上美緒氏、キャラクターデザインは大滝那佳氏、音楽は河野伸氏・青木沙也果氏が手がけている。
主なキャスト陣は以下の通りである。
佐々木:佐藤拓也
山田/田山:星希成奏
後藤:行成とあ
前澤:日笠陽子
大野:豊口めぐみ
小畑:安田陸矢
鈴木:高橋伸也
主題歌は、TV放送版のオープニングを「ずっと真夜中でいいのに。」の楽曲「イチジク煙」、エンディングをimaseの楽曲「Fiction」が担当している。
ABEMA先行配信版では、オープニングに「クズリ念」、エンディングに「NIGHTDANCER」と、放送版とは異なる楽曲が使われている点も特徴的だ。
全12話という尺の中で、原作のどこまでが描かれるのかも、今後注目したいポイントである。
声優インタビューに見る、制作陣のこだわり
ここでは、他の作品情報まとめではあまり触れられていない、キャスト陣の制作エピソードを紹介したい。
佐々木役の佐藤拓也氏と山田/田山役の星希成奏氏は、2026年6月に行われたWEBザテレビジョン(配信媒体:Merkystyle)のインタビューで、役作りについて語っている。
佐藤氏は自身が喫煙者ではないと明かしたうえで、喫煙所という場所には他では生まれないコミュニケーションがあると感じており、収録にあたっては音響監督からの方向性をもとに、佐々木の温かい人柄に焦点を当てた芝居を心がけたと述べている。
星希氏は、山田と田山という一人二役について、佐々木にバレない程度の演じ分けを意識しているとし、接客時に声が少し高くなる感覚を目安にしていると語った。
また、地声に近いのは田山の方であり、比較的自然体で演じられているのはそちらだとも述べている。
こうした証言から、単に「同一人物が二役を演じ分けている」という設定情報だけでなく、演者自身がどのような塩梅でその演じ分けに臨んでいるかという制作の裏側が見えてくる。
原作者の地主氏も、キャスト決定時のコメントで、二人の演技を通じて佐々木と田山(山田)の会話が本当に交わされているように感じられたと述べており、原作監修として収録に立ち会っていることも明かしている。
こうした作者本人の関与の深さも、本作が原作の空気感をアニメでも大切にしている理由の一つだと考えられる。
記者としての考察:なぜこの作品はここまで支持されるのか
ここからは、筆者としての見解を交えて考えてみたい。
まず個人的に注目したいのは、本作が「SNS発の漫画」として異例のスケールで成長した点である。
Twitter第1話への28万件超の「いいね」という反応は、単なる話題性だけでなく、読者が「日常の中にある小さな救い」に強く共感した結果だと考えられる。
くたびれた中年サラリーマンという、決して華やかではない主人公を軸に据えたことも、本作の成功要因の一つではないだろうか。
同じくSNS発でヒットした漫画作品には、日常のささやかな出来事や職場の人間関係を丁寧に描くものが少なくない。
本作もその系譜に連なる一作と見ることができ、派手なバトルや大逆転劇に頼らず、喫煙所という限られた空間だけで物語を成立させている点に、作者の構成力の高さが表れていると筆者は考える。
昨今の漫画・アニメ市場では、若者向けの派手な設定やバトル要素が目立ちやすい中、本作はあえて「喫煙所での何気ない会話」というささやかな日常に焦点を当てている。
この静かな空気感こそが、忙しない日々を送る大人世代の読者に強く刺さっているのではないかと筆者は感じている。
また、「山田」と「田山」という一人二役の構図は、単なるどんでん返し的な仕掛けにとどまらず、「職場での自分」と「素の自分」という誰もが抱えるギャップを象徴しているようにも見える。
佐々木が正体に気づきながらも彼女の意思を尊重して黙っている、という展開は、恋愛ものにありがちな強引な種明かしとは一線を画しており、登場人物同士の距離感の描き方に作者の丁寧さがにじみ出ていると言える。
今後の展開としては、アニメ化を機に新規読者層の獲得がさらに進むと見られる。
先行配信と本放送で主題歌や映像が異なるという珍しい構成を取っていることからも、制作側がコアなファンと新規ファンの両方を意識した戦略を取っていることがうかがえる。
一方で、原作はすでに9巻にわたって伏線や関係性の変化を積み重ねてきているため、アニメから入った視聴者が原作を追いかける際には、単行本でしか読めないエピソードも含めて楽しんでほしいというのが筆者の率直な感想である。
声優陣のインタビューからうかがえるような、演技の細部にまでこだわった制作姿勢も、原作ファンが安心してアニメを見られる要因になっていると筆者は感じている。
まとめ
『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』は、作者・地主が2022年3月にTwitterで連載を開始し、現在はスクウェア・エニックスの月刊ビッグガンガンで連載中の漫画である。
くたびれた中年サラリーマン・佐々木と、スーパー店員「山田」であり喫煙仲間「田山」でもある女性の関係を軸に、スーパーSで働く個性的な面々との日常を描いた作品だ。
「次にくるマンガ大賞2022」1位をはじめ複数の賞で評価され、2026年7月からはテレビアニメも放送されている。
原作・アニメともに今後さらに知名度が広がっていくことが予想される作品と言えるだろう。
よくある質問
『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』の作者は誰ですか?
作者は「地主」氏で、2022年3月9日から自身のTwitter上で連載を開始し、その後スクウェア・エニックスの月刊ビッグガンガンでも連載を行っている。
出版社はどこですか?既刊は何巻まで出ていますか?
出版社はスクウェア・エニックスで、レーベルはビッグガンガンコミックスである。単行本は2026年7月時点で既刊9巻(同月24日発売の第9巻を含む)が刊行されている。
どんなあらすじの作品ですか?
くたびれた中年サラリーマンの佐々木が、行きつけのスーパーの店員「山田」と、スーパー裏の喫煙所で出会う奇抜な服装の女性「田山」との交流を描くヒューマンドラマである。実は「山田」と「田山」は同一人物という設定が物語の軸になっている。
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