『生徒会にも穴はある!』(以下、生徒会にも穴はある)の炎上は、2022年9月20日ごろに公式Xが投稿した平塚先生のイラスト1枚が発端です。
投稿は単行本1巻の発売から数日後でした。もとは週刊少年マガジン本誌の扉絵だった絵が、作品を知らない層に文脈抜きで届いたことで批判が広がりました。
検索でよく見る「凍結」「謝罪」「打ち切り」のうち、炎上による凍結・謝罪・打ち切りは、どれも確認できる根拠がありません。ただし「凍結」については、炎上とは別に、作者のアカウントにまつわる意外な事情があります。
この記事では時系列と噂を一つずつ検証し、2026年10月に始まったアニメとの関係まで考えます。
『生徒会にも穴はある!』はなぜ炎上した?平塚先生のイラストが発端
炎上の原因は作品全体ではなく、作品公式X(@seitokainoana)が投稿した平塚先生のイラスト1枚でした。
描かれていたのは、主人公・水之江梅の担任教師、平塚敏深(ひらつか さとみ)です。自宅で食べられるものを探して冷蔵庫をのぞき込む場面でした。
問題視されたのは、その格好です。
髪を洗濯ばさみのようなもので留め、ブラジャーのホックを外したまま冷蔵庫を物色している。この生活感の強い描写に、「現実の女性はこんなことをしない」という反発が集まりました。
平塚先生とはどんなキャラクター?
平塚先生は、留年の危機にある梅を半ば強引に生徒会へ入れる担任です。つまり物語の出発点をつくる人物でもあります。
私生活はずぼらで、身なりにも無頓着。一方で生徒にはまっすぐ向き合う大人として描かれ、そのギャップが笑いと人情の両方を生んでいます。
炎上で焦点になった髪留めについては、原作を読んだファンから「平塚先生は普段から同じ髪留めを使っている」という指摘が出ていました。
つまり作中では、家での一瞬の姿ではなく、彼女のトレードマークに近い小道具だったわけです。
炎上の経緯を時系列で整理|1巻発売の数日後に公式Xへ
時系列で並べると、「雑誌掲載時は静かで、1巻発売直後の公式X投稿で燃えた」という流れが見えてきます。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2022年春 | 『週刊少年マガジン』22・23合併号から連載開始 |
| 2022年9月7日ごろ | 問題の絵が本誌掲載回の扉絵として登場(第18話「生徒会合宿!! 準備編」とするまとめ記事がある) |
| 2022年9月16日 | 講談社から単行本1巻が発売 |
| 2022年9月20日ごろ | 作品公式Xが平塚先生のイラストを投稿し、作品外の層へ拡散 |
| 2022年9月下旬 | Togetterのまとめやnote記事が相次ぎ、トレンド入りするほど話題に |
| その後 | 公式・作者・出版社からの謝罪や釈明は確認できず、公式Xは通常の告知を継続 |
※投稿日は「9月19日」とする情報もあります。埋め込み表示が世界標準時(UTC)基準になる環境があり、日本時間の20日早朝の投稿なら19日と表示されるため、本記事では「20日ごろ」としています。
※扉絵の掲載号・話数は、筆者が一次資料で確認できていないため、まとめ記事の記載として紹介しています。
なぜこのタイミングで公式は投稿したのか?
ここからは筆者の推測です。
1巻の発売は9月16日で、公式Xの投稿はその数日後でした。発売直後の公式アカウントは、作品の魅力を伝える絵を次々に出して新規読者を呼び込む時期にあたります。
平塚先生の扉絵も、その流れで「この作品のゆるい空気感」を伝える一枚として選ばれた可能性が高いと考えられます。宣伝のために届く範囲を広げた投稿だったからこそ、作品を知らない人にまで届いた、という見方ができます。
どれくらい燃えた?規模について
表示回数やリポスト数といった正確な数字は、信頼できる情報で確認できませんでした。
確認できるのは、当時作られたTogetterのまとめが騒動を「プチ炎上」と表現していたこと、そして騒動直後に公開されたnote記事のタイトルが「トレンド炎上」と書いていたことです。
確認できる範囲では、ニュースサイトが大きく報じたり、団体が抗議したりする規模ではありませんでした。SNS上の論争として数日盛り上がり、「炎上した作品」という記憶だけが検索候補に残った、というのが実態に近いと筆者は見ています。
何が批判され、何が擁護されたのか
批判は主に3つの論点に集まり、擁護は「実際にいる」「キャラ設定どおり」という声が中心でした。
批判側の主な論点は次のとおりです。
- 非現実的だ:洗濯ばさみで髪を留める、ホックだけ外すといった行動は不自然だという指摘
- 男性目線のステレオタイプだ:作り手が女性の生活を理解していないのではないかという意見
- 性的な描き方ではないか:生活感の表現ではなく、女性を性的に見せる構図だという懸念
擁護側からは、「自宅なら似たことをする」という実体験の投稿と、「平塚先生のずぼらさを表した描写だ」という原作読者の反論が目立ちました。
議論が過熱すると、絵の是非を離れて、作者個人を揶揄したり「オタク」全体を批判したりする投稿も現れました。当時のnote記事では、こうした話の広がり方そのものに疑問を投げかける声も紹介されています。
反応を分けたのは「性別」より「既読か未読か」
筆者が当時の反応を整理して感じたのは、賛否を分けた線が男女の違いだけではなかったことです。
女性からも「家ならやる」という擁護があり、男性からも違和感を示す声がありました。むしろ大きかったのは、平塚先生というキャラクターを知っているかどうかの差だと考えます。
既読者には「いつもの平塚先生」が、未読者には「作り手が想像する女性像」として見えた。同じ絵を見ていても、受け取っていた情報量がまったく違ったわけです。
「生徒会にも穴はある 凍結」は本当?2022年の炎上とは別の話
2022年の炎上を理由にアカウントが凍結された、という根拠は確認できません。 作品公式Xは炎上後も発信を続け、単行本やアニメの告知を通常どおり行っています。
ただし、「凍結」という言葉がまったく無関係とも言い切れません。
2026年7月にアニメの放送時期が発表された際、主人公・梅役の坂田将吾さんがコメントを寄せています。その中で坂田さんは、1巻のころからの読者として、作者むちまろさんのXアカウントがときどき凍結されることも楽しんできた、と冗談めかして触れていました。
つまり、作者の個人アカウントについては、凍結されたことがあるとファンの間で知られていたことになります。
ここは区別が必要です。この凍結が2022年の平塚先生の件と関係するという情報は、筆者が確認できた範囲では見当たりません。
筆者としては、検索で「凍結」が並ぶ理由は二つ重なっていると考えます。一つは、炎上した話題の「その後」を確かめたい人の検索。もう一つは、作者アカウントの凍結を知るファンの検索です。それが一つの検索候補に混ざり、「炎上で凍結された」という誤解の土台になったのでしょう。
問題の投稿は削除された?
削除を発表した公式告知も、削除を報じた信頼できる情報も確認できませんでした。
「消された」とする書き込みはありますが、根拠は示されていません。現時点で断定できることはない、というのが正直なところです。

謝罪・打ち切りの噂は本当?確認できる事実と分けて整理
「作者が謝罪した」「打ち切りになる」という話は、どちらも確認できる根拠がありません。
ネット上には「謝罪した」と書く記事もありますが、いずれも謝罪文の所在や日付といった根拠を示していません。作者や講談社による、炎上についての公式コメントは見つかりませんでした。
公式は謝罪も釈明もせず、静観を選んだと見るのが実情に近いでしょう。
打ち切りの噂については、主に次の二つが出どころとして挙げられています。
- 作者の休載報告:2023年に作者の休載が告知され、そのユーモラスな報告がSNSで話題になったことを、まとめ記事が打ち切り説の背景として挙げています
- 作風の際どさ:少年誌の限界に迫る下ネタに、「いつか打ち切られるのでは」と心配する声がありました
実際には連載は続き、2026年8月17日には単行本13巻が発売されています。休載は不祥事やトラブルによるものではなく、打ち切り説は「炎上」という言葉の連想から膨らんだ噂と見るのが妥当だと考えます。
炎上後も伸び続けた『生徒会にも穴はある!』|受賞・部数・アニメ化
騒動のあとも、作品の評価と売れ行きは伸び続けました。累計部数の推移を見ると、その勢いがよく分かります。
- 2023年:「次にくるマンガ大賞 2023」コミックス部門で第1位
- 2025年4月:テレビアニメ化を発表(この時点で累計160万部突破)
- 2026年7月:放送時期を発表(累計230万部突破)
- 2026年夏以降:公式のアニメ紹介文で累計270万部突破と告知
- 2026年10月3日(土)24時30分(=4日0時30分):TOKYO MX・BS11・群馬テレビ・とちぎテレビで放送開始。AT-Xでは10月6日(火)から規制解除版を放送
アニメ化発表からの約1年半で、累計部数は100万部以上増えた計算です。炎上が作品の勢いを止めた形跡は、数字の上では見当たりません。
炎上の中心にいた平塚先生は、内山夕実さんが演じています。
ザテレビジョンによると、2026年8月に平塚先生のボイスが公開された際には、「ずぼらな平塚先生らしい」といった好意的な声が集まっていました。
かつて炎上の象徴だったキャラクターが、放送前から「らしさ」を歓迎されている。この温度差は、4年で作品の受け止められ方が大きく変わったことを示していると筆者は感じます。
生徒会にも穴はある炎上とたわわ広告騒動の違いは?
違いは「場所」「描かれた人物」「広がり方」の3点です。 共通点は、作品を知らない人の目に、文脈抜きで絵が届いたことにあります。
比較対象は、同じ2022年の4月4日に日本経済新聞へ掲載された『月曜日のたわわ』第4巻の全面広告です。女子高生キャラクターのイラストを一般紙に載せたことが批判を集め、国連女性機関(UN Women)日本事務所が抗議の意を示したと報じられました。
- 場所:たわわは一般紙という公共性の高い媒体を選んだ広告でした。生徒会にも穴はあるは、作品自身の公式アカウントの投稿が、拡散によって想定外の層へ届いた形です
- 描かれた人物:たわわは未成年キャラクターの描き方が論点の中心でした。生徒会にも穴はあるの平塚先生は成人の教師で、論点は「女性の生活のリアリティ」に寄っていました
- 広がり方:たわわは報道機関や国際機関まで巻き込みました。生徒会にも穴はあるは、確認できる範囲ではSNS上の論争にとどまりました
さらにさかのぼると、2019年には日本赤十字社と漫画『宇崎ちゃんは遊びたい!』のコラボによる献血ポスターが、SNSで賛否を呼んだこともありました。
こうした事例と並べると、漫画の絵が「作品の外」に出たときの摩擦は、2010年代後半から繰り返されているテーマだと分かります。
筆者の見立てでは、生徒会にも穴はあるのケースが新しかったのは、媒体を選んだ責任が問われたたわわや宇崎ちゃんとは違い、作品自身の公式アカウントでさえ、どこまで届くかを作り手が制御できないことを示した点です。
考察:生徒会にも穴はある炎上は「切り抜き」の問題だった
ここからは、アニメ・漫画の話題を追っている筆者としての私見です。
結論:同じ絵でも、置かれる場所で意味が変わる
この騒動の本質は、雑誌では物語の入口だった扉絵が、Xでは「作り手が女性をどう見ているか」を示す単独の画像として読まれたことにあると考えます。
2022年当時のTwitterでも、フォローしていない人の投稿が、フォロー先の「いいね」や引用ツイートを経由して流れてくる仕組みがありました。とくに引用ツイートは、批判的な一言を添えた形で元の絵を広げるため、文脈が削られたまま届きやすい構造です。
念のため書き添えると、批判した人の感じ方が間違っていたとは思いません。女性の描かれ方に敏感になる背景には長い積み重ねがあります。不特定多数に届く公式アカウントでは、見え方への配慮が求められる、という指摘にも一理あります。
興味深いのは、この作品の作り手が、媒体ごとの見せ方をもともと使い分けている点です。
アニメには地上波版とは別にAT-Xの規制解除版があります。2025年7月発売の公式フルカラー傑作選には、「過激すぎて差し替えになったイラスト」も収録されました。
つまり「どの場所で、誰に、どこまで見せるか」の調整は、普段から行われているわけです。2022年の件は、その調整のなかで公式Xが「雑誌の延長」として扱われ、雑誌とは違う読者に届いてしまった例だった、と筆者は考えます。
今後の見通し:アニメは平塚先生の文脈を取り戻せるか
アニメで平塚先生の私生活が描かれる回が来れば、「あの炎上の先生だ」と話題が再燃する可能性はあります。
ただ、放送開始から3話が経った執筆時点(2026年10月中旬)で、炎上の再燃を伝える報道は確認できていません。
筆者が注目しているのは、アニメでは平塚先生が「物語の流れごと」届けられる点です。生徒を生徒会へ送り込み、ずぼらな姿を見せ、それでも生徒のために動く。静止画1枚では伝わらなかった人物像が、話数を重ねるごとに積み上がっていきます。
もし冷蔵庫の場面に近い描写が映像化されたとき、反応が「炎上」ではなく「平塚先生らしい」に傾くなら、それが4年前の騒動に対するいちばん説得力のある答えになるはずです。

まとめ
『生徒会にも穴はある!』の炎上は、本誌の扉絵だった平塚先生のイラストを、1巻発売直後の2022年9月20日ごろに公式Xが投稿し、作品の文脈を離れて拡散したことから始まりました。批判と擁護を分けたのは、性別以上に「原作を知っているかどうか」だったと筆者は見ています。
炎上による凍結・謝罪・打ち切りは、いずれも根拠がありません。「凍結」の検索には、作者アカウントが凍結されたことがあるという別の話も混ざっています。作品は累計270万部を突破し、2026年10月3日からアニメが放送されています。
よくある質問
炎上したイラストは何話の扉絵ですか?
一部のまとめ記事では、2022年9月7日ごろの週刊少年マガジン掲載回、第18話「生徒会合宿!! 準備編」の扉絵と紹介されています。筆者は掲載号を一次資料で確認できていないため、正確な情報は単行本や公式の告知で確認してください。
作者むちまろさんのXアカウントは凍結されたことがありますか?
2026年7月に公開された坂田将吾さんのコメントで、作者のアカウントがときどき凍結されることに冗談めかして触れられていました。ただし、2022年の平塚先生のイラスト炎上と関係があるという情報は確認できていません。
炎上した平塚先生はアニメに登場しますか?
登場します。声は内山夕実さんが担当しています。アニメは2026年10月3日(土)24時30分からTOKYO MX・BS11ほかで放送中で、放送・配信の最新情報は公式サイトで確認してください。



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