『タヌキとキツネ』の原作は、2026年10月時点でフルカラー版が1~10巻、モノクロ版『ゆるっと』が1巻まで発売中です。『ゆるっと』2巻は10月15日に発売予定で、別に絵本も3冊出ています。
原作者はアタモト先生で、SNSで発表した漫画が出発点です。2026年10月4日からはテレ東系「アニもり!」内でTVアニメが始まりました。この記事では、原作の巻数と読む順番、あらすじ、刊行の歩み、アニメと原作の関係を、公式に確認できる情報をもとに整理します。
『タヌキとキツネ』原作は何巻まで?2026年10月時点の刊行状況
原作は、フルカラーコミックスが1~10巻、モノクロ漫画『タヌキとキツネ ゆるっと』が1巻まで発売中です。
『ゆるっと』2巻は2026年10月15日発売予定と、フロンティアワークスのアニメ関連の告知で案内されています。
レーベルはフロンティアワークスの「リラクトコミックス」です。シリーズの全体像は次のとおりです。
| シリーズ | 形式 | 刊行状況 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 『タヌキとキツネ』 | フルカラーコミックス | 1~10巻(1巻は2016年11月15日発売) | 原点から順に読みたい人 |
| 『タヌキとキツネ ゆるっと』 | モノクロ漫画(A5変判) | 1巻は2025年11月14日発売、2巻は2026年10月15日発売予定 | 新しいエピソードを手軽に読みたい人 |
| 絵本シリーズ | 絵本 | 『小さなともだち』『冬のおはなし』『ちびっこの冒険』の3冊 | 子どもと一緒に読みたい人 |
シリーズ累計は、2026年3月のアニメ化発表の時点で130万部でした。
その後、10月1日から始まった書店フェアの告知では「135万部突破」と案内されています。アニメ化発表から半年ほどで5万部上積みされた計算です。
フェアの告知では、放送開始に向けて既刊コミックスの重版が相次いでいることにも触れられていました。アニメ化の効果が、放送前から本の動きに表れていたことが分かります。
原作の刊行の歩み:10年で積み上げた累計135万部
『タヌキとキツネ』は、一気に爆発した作品ではありません。書店の紹介文に書かれた帯の部数をたどると、少しずつ読者を増やしてきた様子が見えてきます。
- 1巻:2016年11月15日発売
- 2巻:2017年5月15日発売
- 3巻:2017年11月15日発売
- 4巻:2018年5月15日発売
- 5巻:2018年11月15日発売
- 6巻:2019年5月15日発売(紹介文で「コミックス累計100万部」)
- 7巻:2021年12月15日発売(紹介文で「シリーズ累計110万部」)
- 8巻:2022年8月9日発売(紹介文で「シリーズ累計120万部」)
- 9巻:紹介文で「シリーズ累計125万部」
- 10巻:紹介文で「祝10巻&シリーズ累計130万部」
1~6巻まではおおむね半年おきに出ていましたが、6巻から7巻の間は約2年7か月空いています。
筆者がこの記事で特に注目したいのは、この「空白期間」の動きです。
コミックスが出ない間に、作品の「入り口」が増えていた
6巻と7巻の間には、絵本『タヌキとキツネ 小さなともだち』(2020年3月)、宝島社の『タヌキとキツネ めちゃくちゃむずかしいまちがいさがし』(2020年8月)、リベラル社の『タヌキとキツネの英会話』(2021年7月)が刊行されています。
つまり本編が止まっている間も、絵本・パズル本・語学本という別の形でキャラクターが読者に届き続けていたわけです。
その後も宝島社から塗り絵BOOK(2022年4月)や『お部屋ライトBOOK』(2025年2月)が出るなど、出版社をまたいだ展開が続いています。
漫画の続きを待つファンだけでなく、「キャラクターが好きな人」「子どもに見せたい親」という別の層を取り込んできたことが、10年かけて累計を積み上げられた理由だと筆者は考えています。
『タヌキとキツネ』とはどんな漫画?あらすじと登場キャラクター
『タヌキとキツネ』は、お山で暮らすのんびり屋のタヌキと、素直になれずにちょっかいを出すキツネの日常を描いた、1話完結型のフルカラー癒やし系コミックです。
出版社の紹介では、タヌキは「ちょっぴりぬけてる」、キツネは「ちょっぴりいじわる」と表現されています。
この性格の差こそが、作品の笑いと温かさの源です。
ふたりの「お決まりの関係」
基本の型は、マイペースなタヌキにキツネがいたずらを仕掛け、タヌキが気づかなかったり、のんきに受け流したりするというものです。
5巻の紹介文に掲げられた「仲良しだから、いじわるしちゃう」というコピーが、このふたりの関係をひと言で言い表しています。
3巻の紹介でも、たまにケンカをしてもすぐに仲直りする2匹の姿が描かれています。
いじわるが本気の意地悪にならず、最後は結局寄り添って終わる。この「安心できるオチ」があるからこそ、何度でも読み返したくなるのだと筆者は見ています。
各巻の紹介文から読み取れる話の傾向(ネタバレなし)
各巻の紹介文を並べると、どんな題材が描かれてきたかが分かります。
- 食べもの:4巻の紹介では、お山にはたべものがいっぱいで、食いしん坊な2匹はおいしいものをいつも半分こすると紹介されています。
- 大好きなもの:6巻では、ぽかぽかのお日様、お昼寝、甘いおイモといった、2匹の好きなものが題材として挙げられています。
- 季節:7巻の紹介では、春夏秋冬どの季節も楽しいことがいっぱいだと案内されています。
- 仲間の増加:2巻でオオカミやクマが仲間入りし、8巻ではオコジョと龍が加わったと紹介されています。
- ワクワクの発見:10巻では、星のキラキラや凍った小川、ちょっぴり怖い暗闇など、2匹が身近なワクワクを見つける話が予告されていました。
大事件で物語が進むのではなく、季節の移り変わりと、仲間が少しずつ増えていく変化が「縦の流れ」になっているのがこの作品の特徴です。
主な登場キャラクター
アニメの作品解説では、タヌキとキツネのほかに次の仲間が紹介されています。
- ウサギ
- クマ
- オコジョ
- 龍
- にぎやかなトリたち
- 無口だけれど優しいオオカミ
オコジョと龍は8巻から加わった仲間です。アニメの紹介に彼らが含まれていることから、アニメは序盤の巻だけでなく、比較的新しい巻のエピソードまで視野に入れていると考えられます(あくまで筆者の推測です)。

原作者アタモト先生とは?公表されている活動
『タヌキとキツネ』の作者は、イラストレーター・漫画家のアタモト先生です。
生年や出身地などのプロフィールは公表されていないため、ここでは公式に確認できる活動に絞って紹介します。
SNS発の短編を書籍化
『タヌキとキツネ』は、アタモト先生がSNS上で発表していた作品に、描き下ろしを加えて単行本化したものです。各巻の紹介文でも「大量描き下ろし付き」と案内されており、SNSで読める話だけでなく、単行本でしか読めない話が多く収められています。
2026年の「10周年」は、2016年11月の1巻発売から数えた節目にあたります。
アニメ化にあたっては、アタモト先生の描き下ろしイラストを使った10周年記念のアニバーサリー企画も進められています。
漫画の外にも広がるキャラクター
東洋水産の「赤いきつね」「緑のたぬき」とのコラボ商品が、数年前から毎年のように発売されていることもよく知られています。
作品名そのものを生かしたこのコラボは、漫画を読んでいない人にも2匹の姿を届けてきました。アニメ化の前から幅広い層に名前が知られていた土台の一つだと筆者は考えます。
さらに2026年7月には、台湾の「第25回 漫画博覧会」への出展と、台湾の紀伊國屋書店でのフェアも行われました。言葉が少なく絵で伝わる作風は、海外の読者にも届きやすいのでしょう。
アニメは原作の何巻・どの話まで?アニメと原作の違い
2026年10月10日時点で、TVアニメが原作の何巻のどのエピソードを映像化するかは、公式から発表されていません。
全何話になるか、見逃し配信の詳細などについても、筆者が確認した範囲では明示されていません。最新情報は公式サイトで確認してください。
そのうえで、公表されている情報から言えることを整理します。
1話完結型なので「何巻から」を気にせず楽しめる
原作は短い話の積み重ねで、巻をまたいだ長い連続ストーリーはほとんどありません。
そのためアニメも、1巻から順番に追うより、季節や題材に合わせて各巻からエピソードを選んで組み立てる形になる可能性が高いと筆者は見ています。
アニメから入った人が原作を読む場合も、「続きは何巻から」と悩む必要はあまりありません。
いちばんの違いは「声」と「動き」
最も大きな違いは、原作では絵と短いセリフで表されていた掛け合いに、声と動きがつくことです。
タヌキ役は久野美咲さん、キツネ役は東山奈央さんです。
原作では、タヌキのとぼけた「間」がコマとコマの空白で表現されています。これがアニメでどんな「呼吸」になるのかは、原作読者にとって大きな見どころです。
2018年にもショートアニメ化されていた
あまり知られていませんが、『タヌキとキツネ』は2018年にも一度ショートアニメになっています。
当時の発表では2018年2月から配信が始まり、DVDは原作コミックス第4巻に付属する形で展開されました。
今回のTVアニメは、地上波の日曜朝の枠での放送です。SNSと配信で楽しまれていた作品が、家族で見る朝のアニメへと居場所を広げたという点に、10年の歩みが表れていると筆者は感じています。
TVアニメ『タヌキとキツネ』の放送情報・キャスト・スタッフ
TVアニメは2026年10月4日から、毎週日曜あさ7時00分、テレ東系6局ネット「アニもり!」内で放送されています。
放送局はテレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビ北海道、TVQ九州放送、テレビせとうちの6局です。
スタッフは次のとおりです。
- 監督:日野トミーさん
- 脚本:木原梨花さん
- アニメーション制作:アカツキメディアスタジオ
- 主題歌:「ニコイチ!」(歌:SILENT SIREN)
キャストは次のとおりです。
- タヌキ:久野美咲さん
- キツネ:東山奈央さん
- オオカミ:森川智之さん
- ウサギ:長縄まりあさん、永塚拓馬さん
- クマ:永塚拓馬さん
- ナレーション:長縄まりあさん
ウサギ役は2人が担当しており、長縄さんはナレーションと、永塚さんはクマとの兼役です。
キャスト発表時のコメントで、久野さんは原作ののほほんとした雰囲気を表現したいという趣旨を述べています。東山さんも、以前から作品が気になっていたこと、視聴者の日常に寄り添うアニメにしたいという思いを語っていました。
子ども向け番組が並ぶ「アニもり!」の中での放送であることを考えると、今回のアニメ化はファミリー層を強く意識した展開だと読み取れます。
原作はどこで買える?フェア特典と電子書籍
原作は全国の書店やアニメイトで購入でき、電子書籍版も配信されています。
アニメ化に合わせて、2026年10月1日から「TVアニメ化&新刊発売記念フェア」が全国の対象書店で順次始まっています。
- 特典:アタモト先生描き下ろしの特製ステッカー(「あさ」「ひる」「ゆう」「よる」の全4種)
- テーマ:タヌキとキツネたちの1日
- 配布条件:対象商品1冊の購入につき1枚
- 対象商品:フルカラー版1~10巻、『ゆるっと』1巻・2巻、絵本シリーズなど
特典は数量限定で、なくなり次第終了です。開始時期も店舗によって異なる場合があります。
価格や特典、在庫状況は変わる可能性があるため、最新情報は公式サイトや各販売店で確認してください。
どれから読む?フルカラー版と『ゆるっと』の読み味の違い
はじめて原作を読む人に向けて、筆者のおすすめの入り口を紹介します。
- 原点を味わいたい人:フルカラー版1巻から。ふたりの関係の基本がここでつかめます。
- アニメをきっかけに手軽に読みたい人:『ゆるっと』1巻から、10月15日発売の2巻へ。
- 子どもと一緒に楽しみたい人:絵本シリーズから。
フルカラー版の魅力は、季節の色合いと、毛並みのふわっとした質感です。
紅葉やお日様の暖かさが色で伝わるので、短い話でも季節感がしっかり残ります。
一方の『ゆるっと』は、出版社の紹介どおり「ゆるっとタッチのモノクロ漫画」です。1巻には描き下ろしエピソードも収録されています。
色がない分、表情やポーズ、セリフの間に目が向きやすくなります。キャラクターのとぼけた空気をじっくり味わいたい人には、むしろこちらが合うかもしれません。
「絵を楽しむフルカラー」と「間を楽しむモノクロ」という役割分担ができたことは、10年目に新シリーズを始めた大きな意味だと筆者は受け止めています。

考察:SNS発のゆる系動物作品『タヌキとキツネ』はアニメでどう伸びるか
ここからは、筆者の私見を交えて考えてみます。
同じSNS発の「コウペンちゃん」との比較
SNS発のキャラクター作品が地上波アニメになった近い例に「コウペンちゃん」があります。コウペンちゃんは2025年春にショートアニメとしてTV放送されました。
どちらもSNSで人気を集め、書籍や商品で支持を広げ、数年かけてアニメに届いたという道筋がよく似ています。
違いは、『タヌキとキツネ』が最初から「漫画」として、ふたりの掛け合いという話の型を持っていた点です。
イラスト中心の作品に比べて、原作から話の題材を選びやすいことは、アニメ化にとって有利に働くと筆者は考えています。
部数の見通し:新規層は「ゆるっと」と絵本から入る
先に見たとおり、この作品は本編が止まっていた時期にも、絵本や関連書籍という入り口を増やして読者を広げてきました。
今回は地上波アニメに加えて、『ゆるっと』という手に取りやすい新シリーズと、子ども向けの絵本がそろった状態で放送を迎えています。
フルカラー版10巻を一度にそろえるのはハードルが高くても、1冊で楽しめる『ゆるっと』や絵本なら気軽に買えます。
放送期間中は、新刊『ゆるっと 2』と絵本を中心に、累計部数がもう一段伸びる可能性は十分にあると筆者は見ています。
森川智之さんのオオカミ起用が示すもの
キャスティングで興味深いのが、オオカミ役の森川智之さんです。
作品解説でオオカミは「無口だけれど優しい」と紹介されています。体が大きく口数が少ないのに、中身は優しいという立ち位置です。
セリフが少ない役に、低く深みのある声の森川さんを起用したのは、短い一言で「本当は優しい」ことを伝えるためだと筆者は読み解いています。
にぎやかなタヌキとキツネとの対比で、作品全体のテンポに落ち着きが生まれるはずです。
懸念点:「余白」を保てるか
一方で、気になる点もあります。
この作品の魅力は、何も起きないことを楽しむ「余白」にあります。
子ども向けの枠に合わせて説明やにぎやかさを足しすぎると、原作ファンが好きだった空気が薄まるおそれもあります。
ナレーションがどこまで説明を担うのか、静かな間をどれだけ残すのかは、放送を見ながら注目していきたいポイントです。
まとめ
『タヌキとキツネ』は、アタモト先生がSNSで発表し、フロンティアワークスのリラクトコミックスから刊行されている動物コミックです。
原作はフルカラー版1~10巻、モノクロの『ゆるっと』1巻(2巻は2026年10月15日発売予定)、絵本3冊で、シリーズ累計は10月のフェア告知時点で135万部を突破しています。
2016年11月の1巻発売から10年目の2026年、10月4日からテレ東系「アニもり!」内でTVアニメが放送中です。
アニメがどの巻のどの話を映像化するかは発表されていませんが、1話完結型なので、どの巻から読んでも楽しめます。
よくある質問
『タヌキとキツネ』のアニメは原作の何巻まで?
2026年10月10日時点で、アニメが原作の何巻のどの話を扱うかは公式に発表されていません。原作は1話完結型なので、アニメと並行してどの巻から読み始めても問題なく楽しめます。
『タヌキとキツネ』はどれから読むのがおすすめ?
原点から読みたいならフルカラー版1巻、アニメをきっかけに手軽に読みたいなら『ゆるっと』1巻がおすすめです。子どもと一緒に楽しむなら、絵本シリーズも入り口に向いています。
『タヌキとキツネ』は以前にもアニメ化されていた?
はい。2018年にショートアニメが配信され、DVDは原作コミックス第4巻に付属する形で展開されました。2026年版は、地上波で放送される新しいTVアニメです。


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